何を求めているかが明確か?も問題
ここでは、経営者が顧問税理士によく抱く不満を集めてみました。
不満の原因は税理士にある場合もありますが、実は社長にある場合もあります。
年寄りで腰が重い
とにかく「若くて元気な税理士に来てほしい」と税理士変更を希望する社長さんは多いです。
年配の税理士に多い傾向は下記のようなものです。
- ジェネレーションギャップで話が合わない。
- IT化についていけていない。
- 専門知識に安住し、プライドが高い。
- 様々な変化への対応に即応していくことができず、レスポンスも遅い。
- いろいろな頼みごとに対して腰が重い。
一般的傾向として、人間は年を取ると、過去に安住し、偉そうになり、面倒くさがりになり、新しいことを勉強しなくなります。
ですから、一般解としては一定の経験を積んだ若手精鋭、中堅とつきあう方が正解だと思います。
しかし、年齢だけの問題かどうか、現在の年配の税理士の何が気に入らないのか、はっきりさせるべきです。
年齢だけ若くても、上記のような傾向に早々とはまり込んでいる人はたくさんいます。
税理士に求める条件をはっきりさせないまま若い人に変えても、また同じことになる危険は残ります。
自社の経理システムに対応してくれない
税理士の勧めるシステムに変えたために社内の経理が大混乱するのはよくある話です。
それで契約解除して元に戻すとまた大変なことになります。
まずは、現状のシステムでできるだけの対応をしてくれるところとつきあいましょう。
税理士が経理システムの変更を求めてくる理由は次のどちらなのか?
- 本当にそのシステムが優秀で、自社が現在使っているシステムが客観的に劣っている
- 税理士にとって楽だから
この点をよく見極め、経理システムの変更は「確かに相手のシステムの方が優れている」「この税理士と長くつきあっていけそうだ」と確信してからにしましょう。
税務署の味方をする
税理士は経営者へのサービス業だという自覚が足りない人が多いのは事実です。
税務調査に入られて困っているのに、突如自分も税務署職員かのような振舞いを始める人もいて驚きです。
合法の範囲でできるだけ経営者の味方をしてくれる税理士を選びましょう。
ただし、経営者の方も許容範囲を超えた不正な処理を要求したり、重要な事実を税理士に隠したりしないことが条件になります。
偉そうにする
論外です。すぐに切りましょう。
税理士は尊敬すべき専門家ですが、医師や弁護士と同様、人を助けてなんぼの存在です。
専門用語で一方的に理解できない話をする
経理の専門的な話を、素人がわかりやすいようにかみ砕いて説明できるのが良い税理士です。
相手が理解できているかどうか途中で確認し、理解できていなければ工夫をする姿勢も大切。
「どうせわかってないが、とにかく話をして帰れば仕事は済む」と思っているような人と付き合うべきではありません。
業界の事情を理解してくれない
例えば、手形のサイトが長すぎると言われても、業界慣行でどうしようもないこともあります。
人件費が高すぎると言われても、そうしないと求人できない業界事情がある場合もあります。
そういう時に、教科書みたいなことを杓子定規に言うだけの税理士はダメです。
別な角度から改善のアイデアをくれたり、「同じ業界でこんな工夫をしている会社があるよ」と教えてくれたりする人を探しましょう。
会社に来てくれない
会社に来て何をしてほしいのか?
それははっきりしていますか?
単なる雑談ならお互いに時間の無駄です。
「顧問料を払っているのだから、月に1回くらい顔ぐらい出すべき」みたいな貧乏性の発送はよくありません。
お互いの時給がいくらか、よく考えましょう。
部下ではなく、税理士本人でないとできないようなアドバイスを求めているなら、報酬もそれなりのものが必要です。
まずは税理士に何を求めていて、どれくらいの対価を払っているのかを見直してみましょう。
報酬が高すぎる
これも何を頼んでいて、それにいくら払っているかを先にチェックすべきです。
例えば、あなたが月6万円払っているのに、友人の社長が3万円で雇っていると聞いて、「ボラれてるのでは?」と不安になったとします。
しかし、あなたは月次決算をやってもらい、決算の準備も周到で、巨額の納税の現金が必要になったりしないよう、最大限の配慮をしてもらっている。
友人は申告の代行がメインで、ほとんど事務処理しかない。
この場合、サービス内容が全然違うので、単純な価格比較はできません。
あなたのほうがむしろ安い買い物をしているといえるかもしれないくらいです。
税理士に何をどこまで頼んで、いくら払うのが自社にとってベストか?
税理士への報酬は、単に高い安いでなく、そういう観点で見ていきましょう。