【準備と立ち合い|税務調査への対応と顧問税理士の役割】

税務調査への対応は事前準備で90%決まる

 

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実地調査の概要

約束した調査日の朝、9時~10時ごろに税務職員がやってきます。

 

社長へのヒアリングは最初の1~2時間、残りは顧問税理士と経理担当とのやり取りになるのが普通です。

 

午後は資料の提示を求めながら、細部を詳しく調べていきます。

 

特に問題がなければ、その日の夕方過ぎには帰っていくはずです。

 

遅くともその日中に調査を終わらせることが大切です。

 

そのためには「これ以上調べても何も出てこなさそうだ」と思わせて、モチベーションを萎えさせることがポイント。

 

それには事前準備と、当日の顧問税理士の対応が鍵になります。

 

調査完了後、1週間くらい後に電話連絡があり、何もなければそれで終わりです。

 

税務調査の事前準備

税務署が突っ込んできそうなところを首尾一貫して明快に説明できるようにしておき、資料もすぐ見せられるように整理しておくことです。

 

こういう対応をされると税務職員は調査意欲が萎えていきます。

 

何かを隠そうとすると彼らの嗅覚を刺激し、一気に燃え上がらせることになるので、絶対避けてください。

 

本当にまずい領収証や経理処理がある場合は、事前準備の段階で顧問税理士に正直に話し、対応を考えてもらってください。

 

そこに目が行かないようにうまく工夫してもらえるかもしれません。

 

ともかく、税務職員の前で顧問税理士も知らないような事実が出てきた場合は、守りようがありません。

 

経営者と顧問税理士の間に会計に関する秘密はなく、完全な信頼関係を築いておくことが大切です。

 

逆に言うと、そういう関係になれる税理士を顧問に迎えるべきなのです。

 

このように必要な時間をとってしっかりした準備をしてください。

 

税務職員が萎えて退散してくれるかどうかは、9割方事前準備で決まります。

 

また、事前準備をしっかり指導できる税理士を顧問に選ぶことが大切です。

 

調査当日の対応

税務署職員の質問に対し、経営者は聞かれたことだけ簡潔に答え、あとは税理士にまかせてください。

 

税務署は気さくな感じで世間話もしてきますが、雑談の中から手がかりを探そうとしているだけです。

 

調子に乗ってしゃべりすぎると、そこから痛くもない腹を探られることになりかねません。

 

周到な事前準備にも関わらず、当日質問されてわからないことが出てきた場合、適当なでまかせは禁物です。

 

会社の経理では1年間に膨大な処理があるわけですから、少しくらい即答できないことがあっても不自然ではありません。

 

本当にわからないなら、「すぐにわからない。時間をもらえれば調べることは可能だが。」と答え、あとは顧問税理士にまかせましょう。

 

他の点が問題なければ、調査を終了して「先ほどの件はもう結構です。」となる可能性もあります。

 

税理士の役割

税務調査において、顧問税理士の役割は雇い主を守ることです。

 

もちろん違法な脱税の手伝いはできませんから、経営者がまともな会計処理をしていることは前提になります。

 

その上でシロかグレーか微妙な部分について、合法範囲のぎりぎりまで雇い主のために戦うということです。

 

しっかりした事前準備を指導し、調査当日は法の知識を駆使して雇い主を守ることです。

 

税理士とはサービス業であり、こういう立場なんだという自覚のある人を顧問に迎えることが大切です。

 

時々、自分の立ち位置がわかっていなくて、税務署の味方を始める税理士がいます。

 

こんな人に当たったら、戦場で仲間に裏切られたようなもので、やりきれないし、何のために顧問料を払っているのかわかりません。

 

顧問税理士の選定に当たっては、こういう自覚と役割をまっとうできる能力のある人を選んでください。

 

なお、税務署OBの税理士は税務署に顔が効くともいいますが、影響力はあったとしても永続はしないので、過剰評価は禁物です。

 

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